異常な残暑も今日までという予報ですが、このあと涼しくなるでしょうか。今朝も住宅地は静かで、鳥の影は見当たりません。多い季節には、林の入り口に着くまでに10種近く確認できるのですが。とくにわたしの観察ルートでは、ムクドリをずいぶん長い間観ていません。どこに行っているのでしょう。
林の中も静かです。林内にツミがいるらしく、小鳥たちは鳴りを潜めているのかもしれません。仲間が見つけたキビタキは、低い位置でじっと動かなかったそうです。
鳥の影は少ないですが、冷静に探索を進めます。すると木立の奥の方で、ジグザグに飛ぶハトくらいの大きさの鳥の影が見えました。林内を自在に飛び回る動きはハトではなく、大きさからツミに違いありません。池でインコと「鬼ごっこ」している幼鳥でしょうか。ジグザグの動きは、セミを追っているのではないかと見当がつきます。しばらくして、セミをもっている!という声が聞こえ、思わずニンマリしました。ツミはセミをもって枝にとまりますが、逃げられてしまいます。それを空中で器用に再捕獲し、枝にとまりました。でも、すぐにまた逃げられてしまいます。幼鳥なので、未熟なのでしょうか。そんなドジ?を10回も繰り返しているうち、わたしたちの近くに来ました。茶色で不透明な翅から、アブラゼミだとわかります。ツミはセミをしっかり握っていますが、また逃げられてしまいました。いや、待てよ。これは逃げられているのではなく放しているのかも、と思い直します。いくら未熟でも、鋭いつめがあるタカの足指です。一回二回ならまだしも、十数回も続くのはおかしいですね。結局ツミは「キャッチアンドリリース」を20回ほど繰り返したあと、アブラゼミを食べ始めました。ツミの幼鳥がセミを捕らえることは知られていますし、いずれ小鳥を捕らえる狩りの練習になるということは著書にも書いています。でも、みずから「キャッチアンドリリース」を繰り返して狩りの練習をすることは知りませんでした。興味深い観察ができてたいへんうれしい朝でしたが、井の頭池にカワウの姿を見つけられず、残念な気持ちになりました。
1. カルガモ、2. キジバト、3. カイツブリ、4. イソシギ、5. カワウ、6. ゴイサギ、7. コサギ、8. カワセミ、9. コゲラ、10. サンコウチョウ、11. オナガ、12. ハシボソガラス、13. ハシブトガラス、14. ヤマガラ、15. シジュウカラ、16. ヒヨドリ、17. センダイムシクイ、18. エゾムシクイ、19. メジロ、20. キビタキ、21. スズメ、22. ドバト、23. ホンセイインコ