林の入り口で元気にさえずっているのはヤマガラ。昨シーズンは実りの悪かったエゴノキの実が今季は豊作で、喜んでいるかのようです。先日興味深い観察をして以来、わたしの中で注目の鳥となっています。
最初の観察地ではキーキキキというツミの鳴き声が、遠くから聞こえました。空を見つめますが、姿は見えません。(池でショータイムが始まったかな)期待しつつ探索を再開しました。今朝も無風に近くて探しやすい条件ですが、混群には行き合えません。丹念に探索して次の観察地へ向かおうとしたとき、「ムシクイ?」「メボソかな?」という友人の声が聞こえました。確認すると、地上を浅いホッピングで歩く鳥がいます。笹やぶに入ったり出てきたり。はっきりした白い眉斑に、上面は濃い茶色で、そして尾羽が極端に短かったのでヤブサメだとわかりました。羽色やフォルムにも特徴はありますが、なによりムシクイは樹上生なので、地上を歩いて行動することはありません。趾(足指)を見ると長くてしっかりしています。樹上生のムシクイの趾と比較してみたいですね。ヤブサメは夏鳥ですから、渡りの途中で当地に立ち寄ったことになります。白いガを採食しているのを見て、渡りの中継地となる市街地の緑地の大切さを実感しました。ヤブサメは、声はすれど姿はなかなか見かけない鳥なので、うれしい観察です。友人に感謝!
その後、シジュウカラ、メジロ主体の混群に出会ったので夏鳥を探しましたが、見つかりませんでした。今朝もヤマガラがエゴノキの実を採りに往復する動きは見えましたが、貯蔵しているかどうかは確認できませんでした。その場で食べているだけかもしれません。
池に降りるといい位置にカワセミがいました。何度か至近にダイビングしたので水浴びだとわかりますが、5回のうち1回だけは小さな魚をくわえていました。ついでに狩ったのでしょうか。観察も終盤で、カイツブリとカルガモだけのさびしい池を確認していると、水面すぐ上をなめらかに飛んでいく鳥が目に入りました。Uターンしてこちらに戻ってきたのはイソシギです。翼の白い帯が特徴的でした。
秋の渡りの動きと緑地の大切さを実感する、今朝の観察でした。

1. カルガモ、2. キジバト、3. カイツブリ、4. イソシギ、5. カワウ、6. アオサギ、7. カワセミ、8. コゲラ、9. オナガ、10. ハシボソガラス、11. ハシブトガラス、12. ヤマガラ、13. シジュウカラ、14. ヒヨドリ、15. ヤブサメ、16. メジロ、17. スズメ、18. ドバト、19. ホンセイインコ