2025年11月14日の井の頭公園での野鳥観察記録

野鳥観察情報

さわやかな秋晴れで、少しひんやりしますが快適です。
最初の観察地ではいつも通り、ヤマガラがせっせとエゴノキの実を採食しています。ツグミとシメ、ジョウビタキの声も聞こえました。探索を進めると、林の中心部ではヒヨドリがにぎやか。でもほかの鳥は静かでした。ムクノキでしばらく待ちますが、今朝は動きがありません。賞味期限切れのミズキは言うに及ばずです。探索を進めると、小型猛禽が林の中をスーッと飛んでいきました。とまった位置を確認したつもりでしたが姿はありません。でも大きさと飛び方からツミだと見当がつきました。その後友人に会うと、シロハラが10分もかたまって動かなかったといいます。小鳥がじっと動かないのは、種を吐くか、天敵を警戒しているか、具合が悪いかです。これで周囲が静かな理由がわかりました。ツミがうろついているので、小鳥たちは鳴りを潜めているのです。これではがんばっても収穫が少なさそうです。先に進むことにしました。その後すぐ、ハト大の鳥がスーッと飛んでいきました。とまった位置を見極めて双眼鏡で確認すると、キジバトではなく猛禽類の後ろ姿です。ツミか、いやハイタカかなとわくわくしましたが、振り返った姿はツミのメスでした。静けさの「犯人」を確認です。このところオスも確認されていますが、今季期待の冬鳥の観察を考えるとあまり歓迎できない方々です。
池に降りていくと、10羽以上のカワウが上空を旋回していました。見ると、高所作業車がカワウの営巣木であるラクウショウで作業をしています。追い出されたカワウたちは、動物園内に営巣し直していたのですが、再び巣は撤去されてしまいました。カワウたちはそれで右往左往しているというわけです。こうなることは予想していましたが、実際目の当たりにすると考えさせられるものがあります。

巣材を取り除く業者
生きものの仕事は次の世代をつくることだ。足のつけ根には婚姻色である白い部分が見える。やる気満々

でも一羽のカワウが巣材をくわえて飛んでいます。園内にはラクウショウが何本もあります。また営巣し直すでしょう。カワウと人間の駆け引きはこの先どうなるでしょうか。

作業している業者は悪くありません。受注した作業を行っているだけです。
巣の撤去を発注した動物園も仕方ない判断でしょう。園内に野鳥が入って、鳥インフルエンザでも蔓延したら一大事です。
では、営巣木を強剪定してカワウたちを追い出した公園管理者である西部公園緑地事務所に責任があるのでしょうか。動物園内へ営巣することは想像すればわかりますから失策ですし、責任がないとはいえません。でもそうせざるを得なかったのは、くさいとかフンが落ちてくるといってクレームをつけた市民です。2020年にカワウが繁殖を始めてから6シーズン目。園路上の枝を伐ってネットを張り、ネットをテントにし、テントを延長し、共生をはかってきました。その担当者を追い詰めるようなクレームをつけた市民の意識に問題があるといわざるを得ません。私たちは自然の恵みで生きています。カワウはクマのように人命にかかわる生物ではありません。生物との共生、考えてほしいものです。これからも出版と観察会や講演で発信し続けます。

1. カルガモ、2. キンクロハジロ、3. キジバト、4. オオバン、5. カイツブリ、6. カワウ、7. アオサギ、8. ツミ、9. コゲラ、10. リュウキュウサンショウクイ、11. ハシボソガラス、12. ハシブトガラス、13. ヒガラ、14. ヤマガラ、15. シジュウカラ、16. ヒヨドリ、17. ウグイス、18. エナガ、19. メジロ、20. シロハラ、21. アカハラ、22. ツグミ、23. ジョウビタキ、24. スズメ、25. キセキレイ、26. ハクセキレイ、27. シメ、28. カワラヒワ、29. ドバト、30. ホンセイインコ

タイトルとURLをコピーしました