2025年8月23日の井の頭公園での野鳥観察記録

野鳥観察情報

もわっと暑い住宅地はヒヨドリの声も聞こえず静かでしたが、上空をツイー ツイーと鳴きながらメジロが何羽か飛んでいきました。最初の観察地には大きな混群はおらず、渡りの夏鳥は見つかりませんでした。でもヤマちゃん(ヤマガラ)がお出迎えしてくれて、元気よく飛び回っていました。このとき、ヤマちゃんが今日の観察のキーバードになることは想像もできませんでした。
林の中心部も静か。今日も夏枯れだろうかと思いつつしっかり探索していると、林の木立ちの向こうで動いているものが見えました。じっと目を凝らして見ているといくつか動いているのは小鳥で、どうも混群のようです。しばらく見ていましたが、林縁で活動していて林内には入ってきてくれなそうだったので、ぐるっと回って行ってみることにしました。移動は正解で、メジロが間近で活発に飛び回る中に身を置くことができました。どの子も住宅地の庭木と公園の木を行き来しながら、虫を見つけて採食していました。飛翔撮影をしていると、メジロの群れにヤマちゃんが入ってきます。シジュウカラとコゲラ、スズメも加わり、混群になりました。ふと飛んできてとまったヤマちゃんを見ると、なんとアブラゼミをくわえていました。セミは、小鳥にとっては大きな獲物です。でも獲るときは獲るのだと感心させられました。20年ほど前に観察したのに不鮮明な写真しか撮れておらず、いつか撮り直したいと思っていた場面です。ヤマちゃんはアブラゼミを少しついばみましたが、その後落としてしまい、落ちていくセミを慌てて追いかけましたが、途中木の枝に引っかかったのを見失ってしまいました。
その後、興味深い観察をしました。ヤマちゃんがソメイヨシノの樹皮上のコケをはがしてくわえています。もう繁殖期は終わったはずなので、なぜ巣材を集めているのかわかりませんでした。その後ヤマちゃんはおもむろに樹皮にくちばしを突っ込むと、エゴノキの種子を取り出しました。そして、くわえた種子を違う位置に埋めて、コケをかぶせていました。そう、貯食のために好物のエゴノキの種子を貯蔵しているのです。見ていると、周囲のエゴノキから種子を持ってきて、この苔むしたソメイヨシノの樹皮に埋め込んでいます。ヤマちゃんはこの貯蔵行動を5回ほど行いました。静止画と動画の両方を撮影しましたが、改訂してまもなく1年になる「身近な野鳥の観察図鑑」に掲載したかったですね。出版してから、いい写真が撮れたり、今まで出会えなかった場面にあっさり出会えたりする、あるあるの好例でした。

池に降りる手前で別の混群に行き合い、1個体だけでしたがセンダイムシクイが混じっているのを確認しました。


1. カルガモ、2. キジバト、3. カイツブリ、4. カワウ、5. カワセミ、6. コゲラ、7. オナガ、8. ハシボソガラス、9. ハシブトガラス、10. ヤマガラ、11. シジュウカラ、12. ヒヨドリ、13. センダイムシクイ、14. メジロ、15. スズメ、16. ドバト、17. ホンセイインコ

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