観察に出るのを躊躇するほどの雨でしたが、待ち合わせが2件あったので迷わず出かけました。住宅地を歩いていると、びしょ濡れになったメジロが地上に降りています。くちばしでくわえていたのはハゴロモの幼虫。落ち逃げしたのを捕らえたのでしょう。注目したのはその場で食べずにくわえたまま飛んでいったこと。しかも、つがいでした。住宅地のどこかで何回目かの子育てをしているのではないでしょうか。今シーズンは巣を一つ見つけているので、どういうところに営巣するのかが少しわかるようになりました。
最初の観察地は静かでしたが、2番目の観察地は大にぎわいでした。エナガが警戒声のチリリリと多目的な鳴き声であるジュルリで合唱していたので、どこかに天敵がいるのではと疑います。それは見つかりませんでしたが、にぎやかなところには大きな混群がいて、ムシクイからヒタキまで多数の鳥が木の中にいました。それはまるで雨宿り。じっとしていると、サンコウチョウも入ってきました。最近見かける黒っぽい成鳥です。鳥たちを見上げる顔を、葉の上をパチンコ玉のように跳ねた雨粒が叩き、プーンとうるさい虫たちが強制的献血を迫りますが、夢中で観察しているときにはすべて無視。撮り逃したサンコウチョウが再び入ってきましたが、打ちたくもない雨粒目薬が目に入り、チャンスを逃しました。見かけるムシクイはほとんどセンダイムシクイですが、今日はエゾムシクイの姿も。一緒に雨宿りしていると鳥たちとの距離が近く、雨もまた楽しいものだと思えます。大きな混群は次第に移動し、住宅地へ流れていったのでわたしも移動することにしました。
林の中心部では大きな動きはありませんでしたが、探索を進めるとシジュウカラの声。次いで、ギッ ギッというサンコウチョウの声が聞こえました。出会ったのは別の混群で、サンコウチョウの声がしょっちゅう聞こえます。林の中を2羽のサンコウチョウがギッと鳴きながら追いかけ合う光景を眺めて、どこかの森の中にいるかのような感覚になります。吉祥寺でこんな体験ができるのが井の頭公園の魅力であり、まもるべき自然だと実感します。さらに、ギッ ゲグッゲッ ホイホイホイとさえずりが聞こえました。秋のさえずり……幼鳥の練習なのでしょうか。少し雨足が強めになりましたが、さえずりを聞いて得した気分のわたしは観察に夢中。混群の流れを見極めながら、顔を蚊に刺されながら、立ち位置を変えて観察しました。サンコウチョウは雌雄成鳥と幼鳥2羽いるのを確認。混群のほかの鳥に比べて、動きは派手です。サンコウチョウがまた追いかけ合って離れたとき、不意に派手な色が目に入りました。キビタキのオスです。春はさえずるオスの存在感があり、メスはあまり見かけません。当歳の幼鳥もまだいません。ところが秋にはメスタイプ(オスの幼鳥の可能性もある)が9割でオスは1割程度なので、ありがたみがあります。天気が悪くてモノトーンの林の中で、久しぶりにあざやかな橙色と黄色が映えました。満腹状態のわたしは山積する仕事を減らすため、仲間にバトンを渡して移動しました。その後もコサメビタキ祭り、オオルリオス幼鳥のお出ましなど井の頭公園の林はお祭り状態だったそうです。渡り鳥で賑わうこの環境、絶対にまもっていかなければなりません。
池に降りてツミがインコを追いかけたり、ツミ同士2羽でやりあったりするのを見ながら、今日の観察を終えました。
1. カルガモ、2. キジバト、3. カイツブリ、4. カワウ、5. ツミ、6. オオタカ、7. コゲラ、8. サンコウチョウ、9. オナガ、10. ハシボソガラス、11. ハシブトガラス、12. ヤマガラ、13. シジュウカラ、14. ヒヨドリ、15. エナガ、16. センダイムシクイ、17. エゾムシクイ、18. メジロ、19. コサメビタキ、20. オオルリ、21. キビタキ、22. スズメ、23. ドバト、24. ホンセイインコ