ジャパン・バードフェスティバルで講演するため、吉祥寺を早めに出なければならないので、早起きして1時間ほどの観察時間を確保しました。家を出てすぐに、学校のフェンスでカッカ鳴いている小鳥がいました。ジョビ子です。彼女は知人の家の前でイモムシを捕らえ、玄関の近くで丸呑みしました。遠くからヒッ ヒッ ヒッという別のジョウビタキの地鳴きが聞こえます。ジョビ子はこの声に反応し、塀の上にとまって怒っているように見えました。時間がないので深追いせずに、林へ向かいます。
6時台は暗いですね。最初の観察地では、シメ数羽の小さな群れが上空を飛んでいきました。まだ暗くて肉眼での観察がつらかったのですが、シジュウカラの群れが地上に降りているのが見えます。ずっと続いているハゴロモ捕食を観察し、地上に降りている個体がハゴロモを見つけてくわえる場面をはっきり確認できました。やはりハゴロモ捕食にもさまざまなパターンがあるのですね。いつもの子たちは活発に動いていますが、渡り鳥は見当たらないので、時間を考えて次に移動しようと思いました、そのとき、シジュウカラのホバリングが見えました。その先には糸でぶらさがっている虫が見えたので、双眼鏡で確認するとジョロウグモでした。ホバリングしながら捕ろうとして失敗した(というか、ジョロウグモを確保できないまま、ホバリングに疲れてやめた)ようです。こんな大きな獲物を捕れるのかなと思いつつ、もう一度捕ろうとするかもしれないと予想して、ジョロウグモにピントを合わせます。とにかく暗いので、ISOを6400まで上げても、小鳥の飛翔を停めるのにほしい1/4000は切れません。1/2000でなんとかと妥協しました(それでもまだ暗い写真です)。ほどなくシジュウカラが飛んできてホバリングし、おいしくいただきました。生きものの次の動きを予測して備え、図に当たる。快感のひと言です。この朝撮りの画像をこのあとの講演で披露することもできます。
探索を進めると、聞き慣れないイントロひと声を耳にしました。声の方向に目を向けると、とても暗いやぶの中をすっと動く小鳥の影が見えました。とまったあとに次の動きがないので、シジュウカラやメジロなどのいつもの子たちではないことはわかります。なかなかいい位置に来ませんでしたが、ようやく見える位置にとまったのをミラーレスカメラの露出を上げて確認すると、キビタキのオスでした。もうそろそろ今シーズンのお別れになりましょう。仲間に合ったので今朝の観察について聞くと、マミチャジナイやクロジを見かけたとのこと。雨上がりにもかかわらず水場にも出てきたそうで、雨上がりは来ないという決めつけはいかんと学びました。その後、高木の高い位置にすっと入る小鳥の影が見え、その後梢に上がってから飛び立つジョビ男を確認。なんか、冬鳥来てるなぁ、深く探索すればもっといろいろ見つかるなと思いつつ、我孫子へ行かなければならないので、涙を流しながら足早に池に降りていきました。定位置のオシドリを横目に、吉祥寺の駅へ足早に向かいました。
1. オシドリ、2. ハシビロガモ、3. ヒドリガモ、4. カルガモ、5. キンクロハジロ、6. キジバト、7. オオバン、8. カイツブリ、9. カワウ、10. ゴイサギ、11. コゲラ、12. モズ、13. ハシボソガラス、14. ハシブトガラス、15. ヤマガラ、16. シジュウカラ、17. ヒヨドリ、18. エナガ、19. メジロ、20. ムクドリ、21. マミチャジナイ、22. アカハラ、23. キビタキ、24. ジョウビタキ、25. スズメ、26. ハクセキレイ、27. カワラヒワ、28. クロジ、29. ドバト、30. ホンセイインコ