窓を開けるとメジロがさえずっていましたが、もわっとした空気が流れ込んできたので閉めました。さえずりは、外で聴くことにしましょう。
住宅地を抜けて林へ入り、本格的に探索を進めます。メジロ、シジュウカラ、そしてヒヨドリの声が聞こえますが、例によって声は小さめ。高い位置を移動したり、表に出てこないので、観察が捗りません。そんな状況で、ケケレケレケレケレ キョッ キョッとアオゲラの声が遠くから聞こえてきました。姿を拝みたいので、ここは「じっくり探索」を中断し、早歩きで声の聞こえる方へ。アオゲラは鳴き続けていますが、かなり遠くの声を拾ったので、なかなか現場まで辿りつきません。ようやく近づいたと思ったら、吉祥寺通りを挟んで自然文化園本園の中からだということがわかりました。しばらく待ってみましたが、木立の中を飛んでいく姿がちらっと見えただけで、公園内には来てくれませんでした。残念ですが、このところ活発に動いているのは注目ポイントです。これから子育てということはないでしょうが、ここ何年か公園内で行動する個体が少ないので、以前と同じように頻繁に観察できるようになるといいですね。
「じっくり観察」を中断した地点まで戻り、再開しようと歩いていると、ゲァというハシブトガラスの声が聞こえました。オオタカなどが攻撃したときに出す声です。じっと林を見ていると、カラスよりかなり小さな茶色い鳥が滑空してカラスにかかっていくのが見えました。ツミです。双眼鏡を覗くと幼鳥でした。昨日見かけた子と同じでしょうか。ほかに観察する対象もいませんから、これはありがたいとツミの動きを観察することにしました。ツミは暑さを避けて木陰で休んでいるハシブトガラスに突っかかり、追いかけます。本気で攻撃するのではなく、ある程度追いかけたところでやめてとまるのです。そしてしばらくすると、次のカラスにかかっていきます。カラスは数個体いますが、暑さで面倒臭いのか、ツミに対して束になってかかり、追い出すというような行動は見られません。ツミに追いかけられると逃げ、ツミがやめると、近くにとまってだるそうにしています。これを見ていて、ツミがホンセイインコに対して同じような「鬼ごっこ」的な行動をするのと似ていると思いました。本気で攻撃するのではなく、遊びながら飛行訓練しているかのようです。1回、飛びながら木の幹をつかむような動きを見せ、ジイジイジイという音が聞こえたのでセミを獲ったかなと思いましたが、とまったとき足に何もつかんでいなかったので、失敗したようでした。その後、2人のバーダーが来て見物を始めました。中国から来ているとのことだったので、「Japanese Sparrowhawk desu」「He is enjoying a game chasing crows」などと、たどたどしい英語で伝えました。ほかに見るもののない時期ですが、初めて見る鳥だったそうでたいそう喜んでいました。ネイチャーガイドの性で旅行者に案内したあとは、自分の観察です。ツミの行動パターンを見ていて、わかったことがありました。カラスを追いかけるのをやめてとまったあと、追っていたカラスも近くにとまっているのですが、そこに再びかかっていくことはあまりしません。離れたところに別のカラスがとまると、決まってそちらへかかっていきます。新たな別のターゲットに萌えるのでしょうか。また、カラスは防戦一方なのですが、ツミの休憩が長くなってくると、近くにとまってじわじわにじり寄っていきます。ツミに攻撃を加えられるほど寄る前に、再びツミがかかっていくので結局は逃げるのですが。
こんな観察、どうでもいいでしょうか。私はそうは思いません。日本中にスマートフォンを見ながら外を歩いている人が山ほどいます。なかには自動車を運転中にスマートフォンを見ていて死亡事故を起こしてしまう人もいます。今朝、ツミの行動を観察していた人は全国民の中の一握りでしょう。でも、これはスマフォという板切れではなく、広大な世界の中で現実に起きている事象です。じっくり観ている人は極めて少ないので、どんな発見があるかわかりません。私にとっては何よりも大切な活動です。「ながらスマホ」と違って誰にも迷惑をかけず、世界を探究しているわけです。ある番組が「ポケモンGO」を賞賛しています。野外に出るきっかけづくりが評価されているのですが、野外で本物の自然を観察する楽しみに比べればあまりにも小さすぎますね。だって自然界には数え切れないほどのキャラクターが潜んでいるのですから。
1. カルガモ、2. キジバト、3. カイツブリ、4. ツミ、5. コゲラ、6. ハシボソガラス、7. ハシブトガラス、8. シジュウカラ、9. ヒヨドリ、10. ツバメ、11. メジロ、12. ムクドリ、13. スズメ、14. ドバト、15. ホンセイインコ