大晦日もおだやかに晴れました。今日はどんな鳥納めになるのでしょう。
カキノキレストランは静かで、ツグミもヒヨドリもメジロもそれぞれ自分が気に入った実を静かに食べていました。時折りメジロ同士の小競り合いはありましたが、全体的には平和な雰囲気です。
今日も仕事は残っていますが、少し時間をかけてまわりました。目立った収穫がないまま仲間に会うと、リュウキュウサンショウクイをよく観察できたといいます。周囲を見ていると無言で虫を探索しているリュウキュウが目に入りました。いい場所に出てくるのを待っていると、「髙野さん、隣にいるよ」と仲間の声。左を向くと、私が見ていたのとは別の個体がすぐ目の前にいます。あまりにも近いのでピントが合わず、ゆっくり下がってようやく撮影できました。愛用している663の最短合焦距離は4mなので、それよりも近かったことになります。リュウキュウはシラカシやツバキ、ヒノキなど常緑の木をハシゴし、カメムシやカゲロウ、クモを捕らえていました。シジュウカラのように足で稼ぐタイプとは異なり、とまった位置で頭を動かしてキョロキョロしながら虫を探します。このキョロキョロ、エナガの動きにそっくりです。また、ヒノキの葉の先のようにとまれない位置に虫がいる場合はホバリングして捕らえます。この動きはキクイタダキがよく見せますね。リュウキュウが虫をよく見つけては食べるようすを観察し、「温暖化ですよねー」と言う仲間たち。毎日よく観察しているので、どんどんレベルアップしています。わたしはリュウキュウの生態を間近で観察するのと同時に、飛翔も狙いました。飛翔撮影は今一つでしたが、捕らえたカメムシを落としてしまったリュウキュウが、慌てて空中で取り返した場面が傑作でした。落ちていくカメムシよりも速く急降下し、先回りして空中でキャッチしたようです。写真を見返すと、落ちゆくカメムシが置いていかれていました。食べるためとはいえ、鳥の能力はスゴイ!
池にはオナガガモ4羽、ハシビロガモ3羽が到着していました。やはり明日にはいなくなるでしょうか。近年よく観察できるようになったリュウキュウサンショウクイ。ここ数年ですっかり仲良くなった友人たち。今年を締めくくる、よき鳥納めの日でした。
今年もわたしの野鳥観察記録を読んでくださり、ありがとうございました。身近でも知らないことだらけの野鳥の世界を探究し、観察と発見を楽しみながら、生きもののつながり=自然の大切さをより強く感じています。出版やデジタルメディア、観察会や講演を通して広く多くの人たちに野鳥観察の楽しさと魅力をお伝えし、自然を大切に考えてもらうことが日々活動している目的です。「ブログ読んでるよ」「本持ってるよ」「参考にさせてもらってます」そんな声をかけられるたび励まされ、力をもらっています。来年もこの素晴らしい世界を多くの人と一緒に楽しみ、楽しむ人の裾野を広げ、人も自然も思いやれる社会に少しだけでも近づけられるよう、取り組みたいと考えています。よき年をお迎えください。
1. ハシビロガモ、2. カルガモ、3. オナガガモ、4. コガモ、5. キンクロハジロ、6. キジバト、7. オオバン、8. カイツブリ、9. ゴイサギ、10. カワセミ、11. コゲラ、12. リュウキュウサンショウクイ、13. ハシボソガラス、14. ハシブトガラス、15. ヒガラ、16. ヤマガラ、17. シジュウカラ、18. ヒヨドリ、19. ウグイス、20. エナガ、21. メジロ、22. シロハラ、23. ツグミ、24. ルリビタキ、25. スズメ、26. ハクセキレイ、27. シメ、28. カワラヒワ、29. ドバト、30. ホンセイインコ