少し波が寄せていました。雨降りで観察しにくい中、粘り強く針穴鳥見に取り組みました。夏鳥を見つけられなくとも、みずからの能力を高めることになるからです。スダジイの暗い影に小鳥の群れがいるのはわかっていましたが、遠くて暗くて雨降りでした。鳥も木陰から出ないのかなと想像しましたが、少し流れたのが見えたので移動すると、つるにとまってから静止する鳥に気づきました。ヒタキの動きです。カラやメジロ、ムシクイなら、すぐに枝の上を移動するはずです。双眼鏡で確認するとコサメビタキでした。カメラにかけていたカバーを外し、記録しました。
次の出会いはエゾムシクイ。混群に混じっていました。枝かぶりをガマンしてじっとしていると、虫を追いかけてすぐ目の前にとまりました。ツートーンの羽色、肉色の足とくちばし、下尾筒には黄色みは皆無。間違いなくエゾで、センダイムシクイとは明確に違います。エゾは少なくとも3羽いて、どれも活発に動き回っていました。ときおり聞こえたのは「フィン、フィン」という地鳴き。エゾの地鳴きはふつう「キン、キン」と聞こえるのですが、距離がとても近かったからでしょうか。こういうことを感じ取るのも、フィールドワークでたいせつなことです。