外に出ると強い日差しに焼かれましたが、林に入ると心地よい涼しさ。やはり緑地は大切ですね。ときおり少し風が吹きますが、葉の揺れで小鳥を探せる程度の微風。夏鳥のさえずりは聞こえませんが、探索を進めます。
おもな動きはコゲラとシジュウカラ、エナガの子育てで、幼鳥の声がにぎやかです。ヤマガラやメジロもなにやら動いていますが、幼鳥は見つかりません。そんな中、キビタキのさえずりを期待して林を探索しますが、残念ながら留鳥の声のみ。それでもメゲずに観察を続けていると、ムシクイが見つかりました。地鳴きさえなく、完全な無言です。下嘴や足の色、上面の緑み、下尾筒の黄色みからセンダイムシクイと同定しました。なんだ、いるじゃないの。そういえば、メスはさえずらないためか、渡りのときに確認されるのはオスばかり。でも目視でも探しているし……ルートが違うのか、渡りが終息したと思わせておいて、ひっそりわたっているのか。先にオスが渡ってなわばりをもち、あとからメスが渡ってくるなんて話もあるなぁ……あれこれ思索しながらさらなる発見を求めて探索を継続。そんなとき、小鳥たちの警戒声に迎えられるように、一羽の猛禽類がふわっと目の前にとまりました。最初はツミかなと思いましたが、オオタカの若鳥でした。
その後、シジュウカラとエナガを中心に小鳥たちがオオタカを取り囲み、出ていけとばかり鳴き続けました。ときおりオオタカの近くにとまる個体もいて、小鳥たちの本気さに目を見張ります。目の前で展開されている場面はまるで自然番組。ヒヨドリも騒いでいますが、彼らは日頃からにぎやかなので、オオタカを威嚇しているのかどうかはわかりませんでした。オオタカはそんな小鳥たちの動きを不思議そうに見ていて、あまり動じませんでしたが、少し離れたところで犬が喉を鳴らすと、ビクッとしました。5分近くの攻防の末、オオタカは飛び去りました。
コゲラの子育てを観察しながら林を抜けようとしたとき、集まった親子連れのにぎわいの向こうに、あやしい声を聞き取りました。立ち止まり、逆光の太陽にいじめられながら、すっと横っ飛びした小鳥の影を捉えました。キビタキではなく、コサメビタキのぐぜりであることは見当がついていたので、あとは姿を確認するだけでした。コサメビタキはコホオアカとともに、平島で最もよく見かける小鳥のひとつ。島旅以来の再会をしばし楽しみました。
いやぁ、仕事たっぷりあるし、遠出しなくてよかったなぁ。
1. カイツブリ、2. キジバト、3. カワウ、4. オオバン、5. オオタカ、6. カワセミ、7. コゲラ、8. アオゲラ、9. オナガ、10. ハシボソガラス、11. ハシブトガラス、12. ヤマガラ、13. シジュウカラ、14. ツバメ、15. ヒヨドリ、16. エナガ、17. センダイムシクイ、18. メジロ、19. ムクドリ、20. コサメビタキ、21. スズメ、22. ハクセキレイ、23. ホンセイインコ