空気が冷たく風が吹く朝でした。歩き始めてすぐに、雪のような、雨粒のような、よくわからない湿り気を感じましたが、すぐに止みました。
最初の観察地にジョビ子の姿はなく、いつもの人慣れしないツグミもいません。1羽のカワラヒワが上空を飛んでいきました。探索を進めていると、すぐ傍でチュッ チュッ チュッという声が聞こえ、待ち構えているとミソサザイが出てきました。柵の上にとまったところを撮ろうとしたとき、なじみのワンちゃんが散歩で近づいてきたので、すぐに逃げてしまいました。このあたり、ここは公園なので仕方ないのです。その後、少し離れた位置に地鳴きが遠ざかったので、そのあたりが確認できる位置に移動し、探します。水路の中で、とくにこの場所は照葉樹が茂って暗いので、視力の解像度が下がります。そこをがんばって目を凝らし、小さな動きを捉えて再発見。かろうじて撮影もできました。その後、ミソっちょは水路から出たので、再び元の場所へ戻りました。林の奥へ行ってしまったようで、あきらめて探索を進めます。そうだ、シロハラを書かなければとフィールドノートを取り出して書こうとしたとき、柵の上にミソっちょがとまっているのが目に入りました。以前からフィールドノートを手にしていてチャンスを逃すことが何度もあったので、ノートを筆記具とともに放り捨ててカメラに持ち替えましたが、その瞬間にミソっちょは奥へ逃げてしまいました。うーん、失敗続きだなぁと思い、反省しながら歩いていると背後でチュッ チュッ チュッの声。もう一度戻ることにし、柵の上に注目しながら歩いていると、ミソっちょがすぐ先の地上に降りていたことに、飛んで逃げていく姿で気づきました。1勝3敗というところで、今度こそあきらめて探索を進めました。

妙にふくらんでいるシロハラを観察したあと池に出ると、たまにお見かけする観察者の方がいました。「野生のオシドリがいたんですってね。もう見られないでしょうかね」と聞かれたので、「いるのですが、動物園の中のオシドリケージの上にとまっていることが多く、池にはあまり出てこないんですよねー」と答えました。その後、池に残っているカモを確認していると、こちらへ向かって一羽飛んできます。わたしは飛翔撮影の設定にしているので、すぐにカメラを構えて狙いました。真正面の飛び姿は過去に見たことがなく、赤みでオシドリだとわかりました。オシドリはお茶の水池をぐるっと旋回し、わたしも連写しながらぐるっと回ります。弁天池のほうに飛んでいったので、動物園の敷地内に入ったかなと思いきや、再び飛んできました。わたしは連写しながら、もう一度ぐるーっと回されました。その後、先ほどの方に知らせなきゃとオシドリが飛んでいった方向へ移動すると、彼は動物園ではなく池に降りていて、観察者の方もじっくり観察できていました。いいものを見せてもらいました。

1. オシドリ、2. ハシビロガモ、3. オカヨシガモ、4. ヨシガモ、5. カルガモ、6. ホシハジロ、7. キンクロハジロ、8. キジバト、9. オオバン、10. カイツブリ、11. カワウ、12. ゴイサギ、13. オオタカ、14. コゲラ、15. アオゲラ、16. ハシボソガラス、17. ハシブトガラス、18. ヤマガラ、19. シジュウカラ、20. ヒヨドリ、21. ウグイス、22. エナガ、23. メジロ、24. ミソサザイ、25. ムクドリ、26. シロハラ、27. ツグミ、28. スズメ、29. ハクセキレイ、30. イカル、31. カワラヒワ、32. ドバト、33. ホンセイインコ