【レポート】大宮公園自然観察会「野鳥と樹木のステキな関係」

イベント

2023年12月3日(日)

大宮公園で自然観察会を案内するのは今回が2回目。主催はさいたま杜守の会、テーマは「鳥と樹木のステキな関係」としました。私のど真ん中である野鳥観察会ですが、地域の人たちがとくに高い関心を寄せるテーマは樹木なので、鳥と樹木の親密な関係に注目した内容を心がけました。参加者全員分の双眼鏡を貸し出してくれたのは興和株式会社。過去にも各地でのイベントや観察会のとき、双眼鏡貸し出しでサポートしてくれました。コロナ禍でイベントが軒並み非開催となったこともあり、しばらくお付き合いが途切れていましたが、再び手を差し伸べてくれました。

野鳥を観察するのは今日が初めてという参加者もいたので、双眼鏡の調整から観察のコツまでていねいに説明して観察開始。遠くから聞こえるヒヨドリのにぎわいからイイギリの実が食べられていることがイメージできたので、声のほうへ行くと案の定でした。イイギリの実は真っ赤でヒトの視線ではおいしそうに見えますが、ヒト以上に視覚と色覚に秀でた鳥にもなかなか食べられません。実際、1週間前の下見ではまだ食べられていませんでした。そのことを紹介したり、木の上の方から実がなくなっていること、9月の樹木観察会のおさらいでイイギリの名前の由来を解説したりしました。

イイギリとヒヨドリ 撮影:茨原孝貞

ムクノキへ移動すると2羽のメジロが実をついばんでいました。鳥は木の実を丸呑みしかしないと思い込んでいる植物学の研究者もいますが、はっきりいって観察不足です。ムクノキの実は少し大粒で、メジロには丸呑みできません。ところがメジロは熟してやわらかくなった実をつついて、ついばんでいます。それをしっかり観察することができました。ムクノキにいるはずの、樹上のツグミやシメが確認できませんでしたが、少し進んだところのアカマツで「ジジジジ」とキクイタダキの鳴き声。見上げるとメジロの群れの中で、ちょこまかとひときわ小さな鳥が動いていました。全長10cmの小鳥に一同の視線は釘付けに。

アカマツの中のキクイタダキ 撮影:栫祐子

その後もイヌシデの種を食べているカワラヒワや、アカマツにヒガラがいるのを確認するなど、あっという間に2時間半が過ぎました。観察会後は屋内で「鳥と樹木のステキな関係」について1時間ほどお話ししました。

観察会で確認できた種は以下のとおりです。

1. カルガモ、2. キンクロハジロ、3. カイツブリ、4. キジバト、5. オオバン、6. カワセミ、7. コゲラ、8. ハシボソガラス、9. ハシブトガラス、10. キクイタダキ、11. ヤマガラ、12. ヒガラ、13. シジュウカラ、14. ヒヨドリ、15. ウグイス、16. エナガ、17. メジロ、18. ムクドリ、19. シロハラ、20. ツグミ、21. ジョウビタキ、22. スズメ、23. ハクセキレイ、24. セグロセキレイ、25. ビンズイ、26. カワラヒワ、27. シメ、28. アオジ、29. ドバト

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