大宮の有志の依頼で、大宮公園での樹木観察会と講演を担当しました。自分が好きな身近な公園にまつわる課題を解決するにはどうしたらよいか。今まで各地のみなさんにアドバイスしてきたのと同じで、植生がどうなっていて、どんな生きものがすんでいるのかを観察、調べることからとお伝えしました。まずはフィールドにくわしいトコロジストになり、管理者と対立するのではなく一緒に考えてよりよい方向を目指すべきだとアドバイスしました。
樹木観察は身近な自然観察、市民調査を始めるのによいテーマで、互生か対生か、分裂か不分裂か、鋸歯か全縁か、落葉か常緑かを確認して木を見分ける方法をお伝えしました。細かく見ていくと想像以上に多様で、90分で150mくらいしか進みませんでした。
午後の講座のテーマは「身近な自然をまもる」とし、過去の環境保全活動の事例をお話ししました。井の頭公園の管理整備への意見出しや餌やり自粛キャンペーン、かいぼりまでの話など。井の頭公園西園の拡張計画のときに、地域住民に呼びかけ、管理者による住民説明会の開催や、調査データをもとにしたパブリックコメントによって計画修正を獲得した話、都市緑化フェアのときの林に花畑をやめてもらった活動、小平のどんぐり林の道路整備問題に対しては生物調査と観察会によって林を調べ、市民への教育普及を行っていることなど。中野の哲学堂公園では大量に樹木を伐採する計画がもちあがりましたが、地域の諸団体と協力連携して自然観察会や反対運動を行い、区長選で計画反対派の候補者が推進派の現職を破って区長に当選し、計画を白紙に戻すことに成功した事例など。身近な公園の管理に課題を感じていて、なんとかしたいという人たちのニーズに合わせた話をしました。
次回、講師を務めていただくとよいと思った友人、同じような悩みを抱えているつくばの友人も来てくれて、大宮のみなさんとつなぐことができました。次回の観察会のテーマと日程も決まり、今後も大宮やつくばで活動することが楽しみです。