2025年10月19日
NPO法人つくばいきものSDGsの尽力により、洞峰公園とその近隣公園は環境省の自然共生サイトに認定されました。今後も同会は、希少種が生息し、渡り鳥の中継地である洞峰公園の生物多様性を保全し、市民に広める活動に取り組んでいきます。私は季節ごとに開催している野鳥観察会と、その前日の鳥類調査で会の活動をお手伝いしています。
秋の野鳥観察会には約35人の市民が参加。これまでの傾向と同じで親子連れが多く、半数以上が初めての参加とのことでした。野鳥好き、生きもの好き、自然好きの裾野を広げたい私としては、やりがいを強く感じます。インドネシア出身のファミリーも参加してくれて、国際色豊かなのもうれしく楽しいですね。今回も活動に協力してくれているコーワさんの双眼鏡を参加者に貸し出し、使い方をかんたんにレクチャーして、いざ観察開始!
ゆっくり歩いているとシジュウカラの鳴き声が聞こえます。メジロの声も聞こえますが、いずれも木の高い位置にいるようで姿が見えません。ヒヨと鳴いて飛んでいくヒヨドリも、初心者が双眼鏡で観察するのはかんたんではないようです。難しい状況に無理に向き合わず、よい状況で観察するのが正解ですから移動しました。すると、比較的見やすいシジュウカラとヤマガラが見つかりました。このときとてもよかったのは、ヤマガラが赤い実をくわえ、貯蔵する行動。秋の観察会にふさわしく、小鳥が食べ物の少ない冬に備える行動を見ることができたのです。

その後、順光側に場所を変えると、驚くほどの大サービスを見せてくれました。複数のシジュウカラが地上でゆっくり行動してくれたので、小さな子どもでもしっかり観察できたのです。コゲラもシジュウカラにつられてか、地上近くまで降りてきて、虫を探していました。参加者からはキツツキが木を突く行動を実際に目の当たりにできてすごい!と喜びの声があがりました。樹上のメジロやエナガも低い位置だったので、しっかり観察できました。このサービスは10分以上続きましたから、観察会の序盤で参加者のお腹はかなり満たされたようです。


キジバトを観察したり、モズの高鳴きを聞いたりしながら洞峰沼へ。サギやカモ、カワウを望遠鏡で観察しました。カワセミが飛んできて、近くのヨシにとまります。参加者と一緒にカモをゆっくり観察し、激しい水浴びだと思っていたヒドリガモの行動が、じつは強引に潜水しての採食行動だという気づきがありました。毎回新しい発見があるのが、自然観察のおもしろさ。自然は奥深いので、いつまでも飽きがきません。
対岸の高木の梢にモズがとまり、高鳴きするのを参加者全員が望遠鏡でしっかり観察できました。これも秋らしい行動です。雨がぽつぽつ降ってきたところで野外観察を終えて、会議室へ移動。鳥合わせと観察のまとめを行い、質疑応答の時間も取りました。今回も参加者のみなさんに楽しんでいただけて、とてもうれしい思いです。
次回は1月25日日曜日に開催の予定です。落葉して観察しやすくなった林でどんな出会いが待っているのでしょう。今から楽しみです。

観察種(前日の鳥類調査で確認したアトリ、アカゲラ、ウグイスを含む)
1. ハシビロガモ、2. ヒドリガモ、3. カルガモ、4. マガモ、5. オナガガモ、6. コガモ、7. キジバト、8. カイツブリ、9. カワウ、10. ゴイサギ、11. アオサギ、12. ダイサギ、13. コサギ、14. カワセミ、15. コゲラ、16. アカゲラ、17. モズ、18. ハシボソガラス、19. ハシブトガラス、20. ヤマガラ、21. シジュウカラ、22. ヒヨドリ、23. ウグイス、24. エナガ、25. メジロ、26. ムクドリ、27. ハクセキレイ、28. セグロセキレイ、29. アトリ、30. カワラヒワ、31. ドバト、32. ガビチョウ