洞峰公園2025年春の野鳥観察会「春の渡りをたのしく観察しよう」

イベント

2025年4月27日開催

 つくば市の洞峰公園で、春の野鳥観察会を案内しました。春秋冬の年3回行なっているイベントです。

 今回の参加者は約40人。リピーターもいますが、初参加の人も多くやりがいを感じます。初めての方には双眼鏡の使い方から鳥の探し方のコツまでを説明し、リピーターには前回の観察と比べてみることを勧めました。秋や冬に参加した方には、野鳥観察の大きな魅力である季節性を感じてもらいたいのです。
 集合場所周辺ではエゾムシクイが3羽ほどいて、キン キンとよく地鳴きしています。たまにヒーツキー ヒーツキーと神秘的なさえずりも聞かせてくれました。おもにスダジイの高い位置の暗がりにいたので、いきなりこれを観察しようというのはなかなかハードルが高いので見送ることに。代わりというわけではないのですが、シジュウカラがよくさえずりながら姿を見せてくれました。

なかなか姿が捉えられないエゾムシクイ

 上空ではツミが帆翔。昨日からよく見かけるメスのようです。カラスにからまれていなくなってしまいましたが、再び上空に現れるということが繰り返されました。前日にもよく見られたので、この公園に固執している気配も感じます。オスは確認していないのですが、相手が見つかればこのあと子育てを始めるかもしれません。

ツミでございます


 今回はいつもサッカーグランドや駐車場にいるセグロセキレイが見当たらなかったのですが、コゲラやヤマガラを観察しながら探索を続けていると、野球場にいました。採食行動を参加者と一緒に観察しながら説明したのは、ウォーキングとホッピングの違いです。身近なセキレイがハクセキレイではなくセグロセキレイであることが、この公園の鳥類相の特徴の一つ。最初にこの公園を訪れたときに興味深く感じたものでした。セグロを観察していたとき、背後の洞峰沼で飛び回るクサシギを見つけ、撮影した写真を参加者に共有して活躍してくれたのが市川創介君。秋の観察会でも沼を越えて飛んできたホトトギスを見事に捉え、大活躍してくれた中学生です。今回は大学生のお兄さんと一緒に案内役に加わってくれました。

クサシギの美しい飛翔を見事に捉えてくれました。写真提供:市川創介

 沼には予想以上にカモが残っていて、前日の調査ではカウンターが要らないと思っていましたが、必要でした。コガモが最も多く、次いで多いのがハシビロガモで、ヒドリガモは少数です。前日はコガモが飛び回ったり、ユーモラスな求愛ディスプレイを見せたりして楽しませてくれましたが、観察会の日にはカモが減っていました。また数日前までヨシ原にゴイサギが数十羽いたそうですが、この日は激減していました。そんな状況で、カワセミが出現して観察しやすい位置にとまってくれたので、参加者は大喜びしました。終盤にはセンダイムシクイも確認。キビタキこそ観察できませんでしたが、前日の調査で上空を飛んだサシバを含め、渡りの夏鳥は数種を確認できました。鳥合わせの結果、観察種は35種でした。自然の中での生きもののつながりと緑の大切さについてお話しし、観察会を終了しました。

 私は常にリピーターの子どもたちに囲まれていましたが、とくに私の図鑑を片手に熱心に観察していた小学生の女の子は以前よりも確実に知識が増えていて、とても頼もしく感じました。鳥と自然が好きな子どもを増やすこと、鳥と自然を好きになった子どもがもっと好きになり、成長すること、それがこの公園での活動で私が担うべき使命の大きな部分だと考えています。次回、秋の開催も楽しみです。

観察会中に確認した種:

1. ハシビロガモ、2. ヒドリガモ、3. カルガモ、4. コガモ、5. キジ、6. キジバト、7. バン、8. カイツブリ、9. クサシギ、10. ゴイサギ、11. アオサギ、12. ダイサギ、13. ツミ、14. トビ、15. カワセミ、16. コゲラ、17. カケス、18. ハシボソガラス、19. ハシブトガラス、20. ヤマガラ、21. シジュウカラ、22. ヒヨドリ、23. ツバメ、24. ウグイス、25. エナガ、26. センダイムシクイ、27. エゾムシクイ、28. メジロ、29. ムクドリ、30. ツグミ、31. セグロセキレイ、32. カワラヒワ、33. コジュケイ、34. ドバト、35. ガビチョウ

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