洞峰いきものSDGsの会主催の野鳥観察会で案内役を務めました。冬、春に続いて3回目の観察会です。前日の夏日とは正反対で、北風が吹く肌寒い朝でした。参加者は23名ほど。地元の中学生バーダー、市川創介君にサブリーダーを務めてもらいました。
参加者に双眼鏡の使い方をレクチャーしたあと、「いつものセグロセキレイ」から観察をスタートします。次にシジュウカラの観察を例に、逆光側から順光側に立ち位置を変えるとよく見えることを実践して説明。その後、林に入ってくわしい探索を進めました。この公園は鳥が好む実がなる木が少ないのが課題で、秋の渡りの観察では不利でした。それでもめげずに観察を続けると、茂ったヒノキの木の中を移動するムシクイ類の体の一部が見えました。これを捉えきれず、種同定できなかったのは痛恨のミスでした。この茂った林での探索は初心者にとって難儀ですが、その後は沼に出て水鳥を観察しました。水面には多くのカモ。スコープで詳しく観察してみると、オシドリのメスが視野に入ってきて発見でした。この公園ではおそらく移動途中の立ち寄りでしょう。カモは種数、個体数とも多く、9種を確認しました。そのすべてが水面採食ガモだったのは、沼の現在の水深に関係があるようです。その後、オオタカが飛び、遠くにはノスリも飛ぶなど、観察種も充実。最後に沼の上空を中型の鳥がこちらへ向かって飛んできました。尖翼のシルエットだったので、思わずハヤブサ科です、大きさ的にチョウゲンボウかなと参加者に伝えました。すると、市川くんがこれを撮影していて、「髙野さん、トケンですよ」と。撮影した写真を見せてもらうと、そこにはたしかにトケン類が飛翔する姿が写っていました。私はすぐに訂正し、写真をさらにくわしく検証。大きさ、下尾筒にほとんど横斑がないこと、虹彩が暗色に見えることから、ホトトギスと同定しました。多数の冬鳥(カモ)、夏鳥のムシクイ類とホトトギスを観察でき、テーマに合った観察会になりました。洞峰公園での次の野鳥観察会は、1月下旬を予定しています。
今回の観察会で観察した種
1. オシドリ、2. ヨシガモ、3. ヒドリガモ、4. マガモ、5. カルガモ、6. ハシビロガモ、7. オナガガモ、8. トモエガモ、9. コガモ、10. カイツブリ、11. キジバト、12. カワウ、13. アオサギ、14. コサギ、15. ホトトギス、16. オオタカ、17. ノスリ、18. カワセミ、19. コゲラ、20. カケス、21. ハシボソガラス、22. ハシブトガラス、23. シジュウカラ、24. ヒヨドリ、25. メジロ、26. スズメ、27. セグロセキレイ、28. カワラヒワ、29. ムシクイ類