雨の日の探鳥の魅力を真に実感したのは、今シーズンのことです。身体が濡れる。道具が濡れる。雨粒が葉を揺らして惑わす。でも、渡りの鳥たちが降りてきて逗留するという、いいことがあります。ざあざあ降りではさすがに難しいですが、軽く降るくらいなら、快晴よりおもしろいことが多いのにあらためて気づきました。
そんなわけで、レインウェアにゴアテックスのキャップをかぶり、機材にはレインカバーをかけて出かけました。いつものように最初の観察地から探索を始めます。小鳥たちの混群には出会えませんでしたが、ジョビ子に出会いました。アオハダの実がどうなっているか見にいくと、結構残っていました。真夏にメジロが幼鳥に実を与える場面を見ましたが、まだ残っているということはあまり人気がないのでしょうか。赤い実にありがちですが。そんなことを考えていると、頭上をスズメ大の小鳥が飛んで横切ります。大きさと軽く広げた尾羽の橙色、飛び方でジョウビタキのメスだとわかりました。飛んでいった方向からヒッ ヒッ ヒッという鳴き声が聞こえ、正解であることを確認します。飛翔写真を撮るようになってからよく見るようになったので、最近は飛んでいる姿を一瞬見ただけでどの鳥かわかるようになってきました。さて、それ以外に収穫がないので移動することにします。
第2観察地も静かだったのですが、遠くからオー アオー オアオーとアオバトの声が聞こえてきました。ミズキを食べに来ているのでしょう。アオバトは羽色が保護色のようになっていて、鳴き声は聞こえても姿は見つからないことがほとんど。ミズキの木にいないかどうか確認して空振りすることが多いものです。アオバトの存在を意識しつつも、あまり期待せずに林の中心部の探索を始めました。すぐにギュイーというアトリの声を確認。長野の山では数十羽の群れを見てきたので、今シーズンは期待できそうです。姿は見つかりませんでしたが、ケヤキの実が大好きなので要チェックです。ヒタキを期待して2か所目のミズキポイントを確認しているとき、ふと周囲を見回すと緑の中のハトのような形に気づきました。双眼鏡で確認するとビンゴ! ムクノキにアオバトがとまっていたのです。翼にぶどう色の部分があり、オスの成鳥だとわかりました。さっき鳴いたのはこの子でしょうか。昔、ここの大きなムクノキにアオバトがとまっていて、黒く熟した実を食べているのを撮影し、樹木図鑑に写真を掲載しました。ナツメ社の一連の図鑑シリーズの最初の仕事で、林将之さんに監修してもらいつつ、原稿はすべて書きました。そして絶対にほかの樹木図鑑にない、つながっている生き物の情報と写真を紙面に散りばめたものです。
アオバトはミズキだけでなく、ムクノキの実やどんぐりも好みます。もうかなり食べた後なのでしょう。アオバトは食休みをしているようで、ほとんど動きませんでした。仲間と一緒に30分ほども観察していたでしょうか。仲間がアオバトを見ているとき、わたしはミズキにエゾビタキの姿を見出しました。しかし撮影しようとしたところ、ヒヨドリが襲いかかって追い払ってしまいました。渡りの個体群でしょうか、だいぶヒヨドリの数が増えてにぎやかになってきましたが、こういう狼藉はやめてほしいものです。ヒヨドリ同士追いかけ合っているのを見て、つくづく乱暴な方々だと思いました。
池へ降りていくとキンクロハジロの数が増えていたほか、昨日と同じ個体かコガモが1羽。ハシビロガモもいました。ひと回りして林へ戻り、アオバトがいたあたりを再度確認すると、ヒッ ヒッ ヒッ チュルルルとキビタキの地鳴きが至近距離で聞こえましたが、これは姿を捉えられませんでした。
1. ハシビロガモ、2. カルガモ、3. コガモ、4. キンクロハジロ、5. キジバト、6. アオバト、7. カイツブリ、8. カワウ、9. アオサギ、10. オオタカ、11. コゲラ、12. ハシボソガラス、13. ハシブトガラス、14. ヤマガラ、15. シジュウカラ、16. ヒヨドリ、17. ヤブサメ、18. メジロ、19. ムクドリ、20. クロツグミ、21. エゾビタキ、22. キビタキ、23. ジョウビタキ、24. スズメ、25. ハクセキレイ、26. アトリ、27. ドバト、28. ホンセイインコ